文学界にかんする考察

日本社会に、強い潜在的影響を及ぼす文学界について、考察していきます。

2010年06月

 芥川龍之介賞・直木三十五賞の選考と授賞を行っているのは、日本文学振興会で、所在地は文藝春秋ビル内です。

 芥川賞・直木賞の他にも、日本文学振興会は、「文芸の向上顕揚を計ることを目的」として、大宅壮一ノンフィクション賞、松本清張賞、菊池寛賞の選考と授賞を行っています。

 つい忘れがちなのですが、この日本文学振興会は文部科学省所管の公益法人なのですよね。

 ところで、公益法人について、深井行政書士事務所http://www.fukai-office.jp/のサイトから、以下に抜粋・紹介させていただきます。

新公益法人制度についてQ&A
 ⇒http://www.fukai-office.jp/category/1244208.html                  
                        
Q1.社団法人・財団法人に関する新しい法律ができたと聞きましたが? 

明治以来110年振りに公益法人の制度が見直され 平成20年12月 1日に施行されました。                     
                        
今回の大改革により全国で25,000の社団法人・ 財団法人は公益性を証明して税優遇を受けるか、公益性を否定されて課税されるか 5年間の移行期間に何も しないまま解散させられるかの大転換を迫られています。

 選考と授賞を行っている日本文学振興会が公益法人であることを考えれば、文学に関心のあるかたもそうでないかたも、芥川賞・直木賞にもっと関心を寄せて、これらの賞が公益性に適っているのかどうか、考えてみてもいいはずです。

 ちなみに以下は、 日本文学振興会の平成21年度収支予算書へのリンクです。
  ⇒http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/pdf/h21shushi.pdf

 芥川賞・直木賞にどれくらいのお金が使われているのかを、知ることができます。

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 サイト「作品発表広場」に作家登録したことは過去記事でご報告したが、迷いがないわけではない。

2010年1月20日に公開を開始したばかりの新しいサイトです。

現在はベータ版としてのテスト運営中です。

真剣にものづくりをされている方の作品を通じて、さまざまな出会いやつながりを作っていくサイトです。

 こうした説明を読んだあとで、サイトに展示した作品が売れると30%、仕事の依頼があると30%支払う仕組みになっていることを知ったら、何だ、商売か、仲介業者か、と一抹の胡散臭さを感じないわけではなかった。でも、何となく新しい形態に思われ、好奇心もそそられた。

 わたしはカテゴリ「文芸の作品」で登録しているので、文芸に限って話を進めたい。

 作品発表広場に作家登録する以前から、わたしは文芸作品の展示、及び仕事の依頼を希望する旨の意思表示を自身のサイトで行ってきた。

 しかし、素人の個人的な、趣味的なサイトでこのようなアピールを行ったところで、どんな依頼者も現われはしないだろうことは予感された。時々好意的なメールをいただくことはあるけれど、それが仕事に結びつくとか、スポンサーが現れるということは夢物語のようなことだ。

 それなりにサイトの訪問者はあるにしても、そのほとんどがわたしの記事から何らかの情報を引き出すために訪れるだけ。わたしもそんな利用の仕方をしているのだから、お互いさまといえる。

 それに、胡散臭さという点でいえば、大手出版社の牛耳る文学界は、本当に胡散臭い。

 純文系の作家として世に出ようと思えば、悲劇だ。

 伝手があれば別かもしれないが、大手出版社の新人賞をゲットするしかない仕組みになっている。運よく賞がとれたところで、飼い殺されている作家(であるような、ないような人々)がどれだけいることか、想像できないくらいなのだ。

 わたしが某賞で最終候補になったときに賞をとった男性は、作家になれるつもりで会社をやめたと聞いた。奥さんが働いていたからそれができたのだろうが、賞の発表誌がわが国を代表する文芸雑誌だったのだから、その気になるのも無理はなかった。

 彼の作品は、エッセーがその雑誌に一度だけ載った。数年後に、わたしが別の作品で最終候補になったとき、彼が来ていた。

 依然として、せっせと担当編集者に作品を提出していたようだった。その後、彼がどうなったのかは知らない。そこと接点を持ち、飼い殺されている人々の話は、何度となく聴いた。

 わたしはアレクサンドリア木星王さんに手紙で打ち明けたように、純文学狙いに限界を感じ、昔から好きだった児童文学に方向を変えた。イギリスにあるような良質の児童文学作品が日本にはないと思ったことも理由の一つだった。

 特に近年、小ぢんまりとまとまったものか、エンター系のものばかりが目につく。以前は、素人を育ててくれる児童書専門の出版社が複数あったが、代表的だったところは素人の作品の持ち込みを受付なくなってしまった。

 過去記事を参照していただければわかると思うが〔ライン□■□■□以下に全文のコピーあり〕、児童書は厳しい――だが大手出版社の怠慢が目立つ――状況にあることは間違いない。

 もう自費出版しかないと思っていたところへ、ひょっこり舞い込んだ前掲の「作品発表広場」からのメール……。

 純文学の話に戻ると、作風は濃いが、内容は薄くて、じっくりと読みたいという気を起こさせない作家の純文学作品が文芸雑誌を独占しており、評論といえば護教的とでもいいたいようなシロモノばかり。

 もっとずっとましなものか、少なくとももう少しはましなものが書けるはずの人材が埋もれている。日々埋もれてゆく。純文学の修練を積み、実力を培った人材の多くが棄てられて行くこの現状は、惜しい。

 純文学が社会の価値観に与える影響は大きいが、潜在的だから、この事態が見過ごされてきている。わが国の純文学は自然にこうなったのだろうか? 勿論、そんなはずはないのだ。

 わたしのパソコン歴は6年くらいのもので、ネットをし始めた頃に、たまたま平野啓一郎の『日蝕』について検索した。一頃話題になった、佐藤亜紀の『鏡の影』との関係が気になったからだったと思う。その頃、交際のあった女性編集者はわたしにそのことについて、佐藤亜紀の嫉妬だろうといった。

 事の真偽はともかく、神秘主義に親しんできたわたしの『日蝕』に対する感想としては、呆れたシロモノだというしかない。神秘主義的な事柄を玩具にしているように映る(いずれきちんと感想を書いてみたいと思っている)。

 悪趣味で幼稚、どこといってとりえのなさそうな、純文系作品ともエンター系作品ともいえそうにないこの作品が天才的と評されて芥川賞を受賞した。

 純文系作品ともエンター系作品ともいえそうにない――といったのは、昔の作家の例になるが、泉鏡花、吉屋信子の少女小説のように、どちらの資格もあるという意味でいったのではない。どちらの資格もないといっているのだ。佐藤亜紀の作品はエンター系だが、まぎれもない文学作品であり、作風はスタイリッシュだ。

 ところで、平野啓一郎のデビューの仕方を、ウィキペディアから以下に抜粋。

平野啓一郎. (2010, 5月 7). Wikipedia, . Retrieved 19:09, 6月 16, 2010 from http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E5%B9%B3%E9%87%8E%E5%95%93%E4%B8%80%E9%83%8E&oldid=31979233.

デビューの経緯 [編集]
啓一郎の特色の一つとしてその「投稿によるデビュー」が挙げられることがある。啓一郎がデビューした文芸誌『新潮』の巻末には、現在まで毎巻欠かさずに「御投稿作品は、全て「新潮新人賞」応募原稿として受付けます。」との記述がある。啓一郎自身がインタビューで答えた情報によれば、デビュー経緯は以下の如くである。

1997年、21歳の啓一郎は1年(資料収集半年、執筆半年)を費やしデビュー作となる『日蝕』を書く。投稿先を『新潮』に決める。年末、『新潮』編集部に自分の思いを綴った16枚の手紙を送る。手紙を読んだ編集部からは「とりあえず作品を見せて欲しい」と回答。編集者の出張先が京都であったこともあり、会って食事をする。1998年、『新潮』8月号に『日蝕』が一挙掲載される。「三島由紀夫の再来とでも言うべき神童」などという宣伝と共にデビューする。翌年芥川賞受賞。

 含みのあるようなエピソードだが、出版社も商売だろうから、作品がよいものであれば、そんなことはどうだっていいと当時わたしは思っていた(よいものとは思えなかったから、そのことが問題だと思った)。だから、ネットで平野のデビューには瀬戸内寂聴が関与しているという記事を閲覧したときも、ちょっと意外に感じただけだった。

 平林たい子と円地文子が好きなので、そのついでにという感じで、瀬戸内寂聴の作品を読んだ。岡本かの子も好きなので『かの子繚乱』を読んだ。よく取材がなされており、労作と思われた。

 しかし読後、わたしは一抹の疑問を覚えた。『かの子繚乱』の天衣無縫というよりは幼稚な、それでいて色欲に衝かれたような生臭いかの子像が、ぴんとこなかった。かの子の作風は高雅で知的であり、性をテーマとしていても、生臭さがない。

 一方、お坊さんなのに、瀬戸内寂聴の作品はどれもこれも生臭いとわたしには感じられた。これまでにわたしの知るどんな作家のものよりも、生臭い。

 一般的には、瀬戸内寂聴は、文学界と仏教界の権威を帯びた文化の顧問的イメージ、おおらかさのシンボル、といったものではないだろうか。 

 現に昨日――6月16日付――の朝日新聞朝刊の文化欄にも、88歳になった寂聴が慎ましやかな表情で出ていた。以下は記事からの抜粋。

 携帯電話にはハート形のストラップも付け、若い作家との交流もある。「芸術は新しい世界をひらいていかないとダメです。こつを覚えれば小説は書けますが、それではつまらない。私もまだ書いていない、新しいものを書き続けていきたいと思っています」

 新しい世界とは何だろう? この生臭いお坊さんを悦ばせる小説とは、どんなものなのか? わたしは彼女が影の影響力を発散し続ける限り、わが国の純文学に新しい世界は拓けないだろうと思う。

 生臭くて内容に乏しい、変な技巧を凝らした作品でないと、賞がとれない純文学界の雰囲気は、一体誰がもたらしたものなのか?

 若い作家と交流があるということは、その作家たちが彼女の後押しでデビューしたということを意味するのではないだろうか。もしそうだとすれば、彼女の影響下でデビューの機会を奪われたその他大勢の作家の卵がいるということを意味する。

 わたしがそんな疑問を持ち出したのは、半年ほど前に、美容院で『婦人画報 1月号』(アシェット婦人画報社、2009年12月1日発売)の《寂聴先生、米寿のおしゃれ説法》を読んだときだった。

 寂聴のブランド趣味を披露した特集……。カルティエ、ティファニーの腕時計。シャネルのバッグは「清水の舞台」的に高かったそうだ。ロエベ、エルメスのバッグ。以下は、愛用品につけられた説明。

①数奇屋袋はブランドバッグと同様に大好きで、粋な意匠のものが好み。ちょっとした散歩などに持ち歩く。

②アンティークの籠バッグ。レザーバッグは耐久性に優れるが、和のやさしさも捨てがたいという。

③寂聴先生のお酒好きは有名で、猪口や片口のプレゼントも増えた。艶やかなガラス製は金沢のもの。

④時間ができると、愛用のピンクの携帯電話で自らのケータイ小説をのぞく。PV数が増えるのが楽しい。

⑤携帯電話に映えるキラキラストラップは、平野啓一郎夫人でモデルの春香さんからの贈り物。

⑥「平野啓一郎さんはプレゼント魔」と嬉しそうに話す寂聴先生。

⑦驚くなかれ、尼寺「寂庵」には秘密のバー「パープル」がある。仲良しの編集者たちと過ごす部屋。

⑧バー「パープル」のカクテルは、すべて紫色。祇園の芸妓さんがレシピをたくさん考案してくれた。

 尼寺にバーがある? ステーキとお酒とブランド品が好きな僧侶。わたしは、めまいを起こしそうになった。

 これではもはや、瀬戸内寂聴は、坊主のコスプレをした贅沢なマダ~ムにすぎない。プレゼントが多いようだが、それは彼女が僧侶兼作家という立場を利用した、巧妙な仲介業者でもあるということを意味しているのではないだろうか。

 宗教の本質は神秘主義である。神秘主義が禁酒、禁煙、菜食を勧めるのには、秘教科学的な理由があるからで、その一つは、肉体より精妙な体にダメージを与える可能性があるからだ。〔以下を参照されたい〕

 H・P・ブラブゥツキー著『実践的オカルティズム』(田中恵美子、ジェフ・クラーク訳、竜王文庫、1995年)の用語解説より、その七本質を紹介しておく。

神智学の教えによると、人間を含めて宇宙のあらゆる生命、また宇宙そのものも〈七本質〉という七つの要素からなっている。人間の七本質は、(1)アストラル体(2)プラーナ(3)カーマ(4)低級マナス(5)高級マナス(6)ブッディ(7)オーリック・エッグ

 アストラル体はサンスクリット語でいうリンガ・シャリーラで、肉体は本質というよりは媒体であり、アストラル体の濃密な面にすぎないといわれる。カーマ、マナス、ブッディはサンスクリット語で、それぞれ、動物魂、心、霊的魂の意。ブッディは高級自我ともいわれ、人間の輪廻する本質を指す。ブッディは全く非物質な本質で、サンスクリット語でマハットと呼ばれる神聖な観念構成(普遍的知性魂)の媒体といわれる。

 ブッディはマナスと結びつかなければ、人間の本質として働くことができない。マナスはブッディと合一すると神聖な意識となる。高級マナスはブッディにつながっており、低級マナスは動物魂即ち欲望につながっている。低級マナスには、意志などの高級マナスのあらゆる属性が与えられておりながら、カーマに惹かれる下向きのエネルギーも持っているので、人間の課題は、低級マナスの下向きになりやすいエネルギーを上向きの清浄なエネルギーに置き換えることだといえる。

 飲酒や肉食は、カーマに惹かれる下向きのエネルギーを強めるといわれる。他にも、いろいろな理由から、神秘主義は清浄な生活を勧めている。

 一般人には、一足飛びにそのような清浄な生活を送るのは難しいが、誓いを立てた僧侶はその難事業にチャレンジし、世の模範になろうとするわけである。彼女は僧侶とはいえないが、前掲の雑誌から以下に抜粋する彼女の意味をなさない言葉からすると、良識ある大人ともいえない。

「女子高生が援助交際なんかしちゃってブランドバッグを手に入れて喜んでいる一方で、ブランドものなんて虚飾!と言わんばかりに頭から否定してしまう大人がいる。いったい日本はどうなってしまったんでしょうね。戦時中の“贅沢は敵だ”じゃあるまいし、モノのもつ価値をきちんと理解できる大人が、大切に慈しんで使えば、それでいいではありませんか。ねぇ」

 わが国を覆う物欲と性欲。この風潮に彼女が一役買っていないとは思えない。

 世に出る手段の見い出せないわたしのような作家の卵にとって、サイト「作品発表広場」は変則的な、ちょっと面白い仲介業者に映る。ただし、まだ正体の掴めないところがあって、お試しで作家登録している――といったところ。

 わたしは文学革命を夢見ていた。しかし、価値観も作風も多様化した今のわが国で、物書きが足並みを揃えることは無理だとも感じていた。

 価格破壊という言葉がある。デジタル大辞泉の解説によると、価格破壊とは「ディスカウントショップの躍進、安い輸入品の増大などによって、それまでのメーカー主導型の価格体系が崩れ、消費財の価格が下落すること」をいう。

 物書きは決して安売りしてはならないが、「作品発表広場」のようなサイトに優秀な作家がどんどん登録して繁盛すれば、大手出版社主導型の純文学界の価値体系を崩すことが可能かもしれない。

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 占いの世界における第一人者、大御所といえるアレクサンドリア木星王氏に、自身の作家志望の行く末について、手紙での占いを希望してみました。 

 過日購入した『タロット教科書 第1巻  タロット・ワークブック』の巻末に、手紙で相談できるタロット特急占い宅急便という広告が出ていたのです。

 アレクサンドリア木星王氏は、わが国の文化に神秘主義哲学の芳香をもたらし、特にタロット及び占星学の分野を高め、大衆層にまで専門知識を普及させた功労者でいらっしゃるので、感謝と尊敬の気持ちを手紙で伝えられれば……という思いもありました。

 ただお弟子さんも沢山いらっしゃるでしょうから、ご本人に見ていただけるとは限らない、たぶんお弟子さんに見ていただくことになるだろう――と想像しました。

 前掲の占い宅急便のコーナーには、様々なコースとその料金(1,000円~4,000円)が表示されていましたが、いわゆる商業主義的な書きかたではなく、どことなくフランクな雰囲気があり、その他のコースに「心の悩みについて……3,000円/あなたが悩んでいることをなんでも」という項目などもありました。

 そこで、メッセージ、生年月日、以下のような悩みを書き、3,000円と共に現金書留封筒に入れ、魔女の家宛に送りました。

中学時代から作家志望の専業主婦です。純文学の賞などで、よいところまではいくのですが、卵のままです。
複数の病気を抱えています。再婚した父夫婦からは難題を持ち込まれがちで、家庭生活は波乱含みです。
こうしたことが文学のテーマともなってきましたが、純文学狙いに限界を感じ、昔から好きだった児童文学に方向転換してみたところです。歴史小説も温めています。
来年辺り、初めての本を出したいと思っているのですが、自己満足に終わるだけかもしれないと思うと専業主婦にとっては高すぎる買い物となるので、躊躇するところもあります。
創作の喜びは尽きませんが、今生では表舞台には立てないまま終わるのでしょうか? 

とりとめのない質問内容になり、申し訳ありません。

 

 書きながら、表舞台に立てないほうが普通なのだから、どんな占いの結果が出たとしても仕方がない、いずれにしても書くことをやめることはできないだろう……と、自身の哀しきさがを思わずにはいられませんでした。アレクサンドリア木星王氏はジャーナリストとして出発なさったようですから、作家として世に出ることの難しさはご存知でしょう。

 アレクサンドリア木星王氏が占いの研究家として一流であることは明らかでしたが、占い師としての腕前はどうなのかしら、と思い、ネット検索してみると、ホロスコープとタロットを組み合わせて占われることが多いようで、しかし、それらはアレクサンドリア木星王氏にとっては、霊感を発動させるための道具と考えたほうがよさそうでした。

 返信がご本人からである場合、ホロスコープのみで占われているとか、文面が短く終わっているというようなときは、霊感がうまく発揮されなかった可能性がある……のではありますまいか(これは、ネット検索による情報を総合して弾き出した、あくまでわたしの勝手な想像です)。

 月曜日に送り、昨日占いの結果が届きました。水曜日の夜だったでしょうか、今見ていただいているのでは――と感じたときがありました。

 ご本人の直筆と思われる封筒の文字に何かしら圧倒され、また封筒の薄さに愕然となりました。というのも、ホロスコープが透けて見えていたからなのですね。

 封筒の薄さからして、中にはそのホロスコープ1枚しか入っていないだろうことは明白でした。ホロスコープの余白に2~3行、「前途多難です」といった風の言葉が書き込んである内容を想像すると、開封できなくなってしまいました。

 娘がしきりに「開けてあげようか」といいましたが、「駄目。ママが開けるの!」といい、結局、1時間くらいして衝動的な気分が高まって開封。

 「えっ?」と、ホロスコープの円内に書き込まれた手書きの星々のマークに、またまた圧倒されながら、裏返して息を呑みました。ホロスコープ用紙の裏側が文字でびっしり埋め尽くされている……頭がクラクラし、同時に感動を覚えました。

 占い師って、何て大変なお仕事なんでしょう!

 「お便りありがとうございます。」という言葉から始まっていた占いの結果から、特に印象に残った文章を抜粋してみます。

今後のあなたの作家活動及び、プロとして表舞台に立つことが可能か等を占ってみました。
まずはじめに純文学の場から児童文学のジャンルを広げられたということについて、これは実に明るいきざしが感じられます。
〔略〕
本来のあなたの星は、そうした方向をコロコロと変える星ではなく、真面目に一つのことを深く探求してゆく、星であります。それはそれとしてあなたのよい特質でもありますがしかし、ともすれば才能のかたよりもおこりうることもあります。占いでは、これまでの純文学は純文学として、あたためてゆかれ、さらに児童を対象とした作品にとりくんでゆかれることが一つの幸運をよびよせるきっかけとなりそうです。
〔略〕占いましたところ、キーカードとして星と力の正位置がでていました。これはまさしく夢をあきらめずに継続して努力を続けるあなたの姿です。そしてあなたの現実の努力こそが夢を実現できるカギであるということです。
〔略〕児童文学というキーワードは、今後のあなたが作家活動の中でひとつの、きっかけとして未来への、扉を開いてくれることになるでしょう。結論から申し上げますと、出版が自己満足に終わるということはないでしょう。少しずつですが世間の注目をあつめることも期待できそうですし、あなたの記念すべき初版本と、なるでしょう。
〔略〕

 占っていただく前の本音としては、もう来世に期待するしかないだろう、というものでした。そうしたところへ、これはまた思いがけなく、何て大きな励ましの言葉をいただいたことでしょう。

 貴重な占いの結果を無駄にしないように、しっかりと書き、よい作品を完成させたいと思いました。そして、困難はあっても挫けずに初出版を果たしたい、それを次回の出版へつなげたい、との決意を新たにしました。

 ところで、これはお知らせですが、占いの結果を読む前の昼間、過日お誘を受けて考えていた、サイト「作品発表広場http://www.sakuhin.jp/」に登録と作品の展示をしました。

 興味がおありのかたは、こ訪問になってみてください。サイト名が表しているように作品を発表できる場で、以下は作品のカテゴリー一覧です。

絵画の作品
彫刻・オブジェの作品
建築・インテリアの作品
文芸の作品
音楽の作品
ソーイング・洋裁の作品
工芸の作品
クラフトの作品
その他の作品

 作品の販売も行えるようになっていて、以下は『作品を販売するには』というページからの抜粋です。

作品の販売価格の30%を掲載・紹介手数料として弊社に支払っていただきます。

  • 作品が購入された際は、掲載、紹介手数料として、販売価格の30%を「sakuhin事務局」にお支払いいただきます。
    弊社への支払いは、作品代金を購入者から受け取った後になります。
    支払い方法は銀行振り込みとなります。

販売する作品について

  • 売る作品は、原則として一点ものとしてください。
    (※版画、デジタルイラスト、鋳造品などは、作品ごとにサイン/シリアルナンバーを直筆で記入することで一点ものとします。)
  • 作品輸送時などに、安易に壊れてしまうような作品は避けてください。
  • 権利の譲渡が必要なもの(曲や文学など)は現仕様での販売はできませんので発表だけは可能ですが、売ることは避けてください。

 他にも注意書きがあります。

 文学作品の販売はできないとなっているのになぜ誘われたのだろうと思い、電話で問い合わせてみましたら、アピールの場として活用でき、仕事を依頼してほしい旨、表明することができるから、ということのようでした。

 仕事の依頼にここを利用する場合の注意点があります。販売の場合と同様に30%を「sakuhin事務局」に支払う必要があるということです。詳しくは、以下の記事をご参照ください。

 作品発表広場」に問い合わせた件
    ⇒http://elder.tea-nifty.com/blog/2010/06/post-163c.html  

 わたしが既にサイトで行っているようなことでしたが、アピールの場は多いほうがいいかもしれないと思い、登録してみた次第です。

 わたしのページは、ここです。
  ⇒http://www.sakuhin.jp/profile/id000061.html

 現時点では、当ブログで公開中の評論『村上春樹と近年のノーベル文学賞作家たち』、純文学の中編小説『台風』を展示しています。電話をかけた際、サイトで公開している作品も展示可能かと問い合わせましたら、可能ということでしたので。

 今後、展示数を増やしたいと考えています。ニックネームをマダムNではなく、とりあえずNAOMIにしましたが、これも気にいったワーキングネーム(ペンネーム)が見つかったら、変えたいと思っています。 

 仕事の希望については、まだきちんと設定していませんが、プロフィールページが履歴書代わりとなるようなので、目障りかもしれないと思いましたが、推奨されていることでもあり、〇〇をつけました。ざんばら髪だし、はれぼったいわ……もう少しましなものと交換したいと思っていますが、まあ普段はこんなものです。今更気取ってみたところで、始まりませんからね。

 PDFで作品を保存したのは初めてだったので、フォントに関する迷いがあるなど、不慣れな部分があります。当ブログとあちらとでは、どちらが読みやすいだろうか、と考えたりします。

 販売可能なカテゴリーの制作に取り組んでいらっしゃるかたで、発表の場や販売手段を持たないかたにとっては、「作品発表広場」は便利なサイトかもしれません。

  といっても、サイトの信用度など、まだわたしにもよくはわかりませんので、あくまで参考まで……といった程度のご紹介とお考えください。

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